都市的土地利用研究会は,研究者(法律・経済・都市工学・建築等),弁護士・不動産鑑定士等資格者及び行政担当の実務家から成る,都市問題の学際的研究集団です。研究会の趣旨は,都市的土地利用について関心をもつ会員個人の学術的理解を深めることです。
2.歴史
都市的土地利用研究会は,稲本洋之助東京大学名誉教授を中心とする学術的研究会としてスタートしました。これについて,『都市と土地利用――稲本洋之助先生古稀記念論文集』(日本評論社,2006年)の「はしがき」で田山輝明早稲田大学法学部教授が次のように述べています。
「稲本先生は,1984年に2つの研究会を組織された。冒頭でも触れたがひとつは,『都市的土地利用研究会』であり,もうひとつは,『不動産賃貸借研究会』であった。後者は,当時まだ助教授・講師・院生であった若手民法学者が参集して,借地借家法改正問題を研究することを目的としていた。この研究成果は,『コンメンタール借地借家法』(日本評論社)に結実している。
また,『都市的土地利用研究会』は,研究者(法律・経済・都市工学・建築)および弁護士・不動産鑑定士等の実務家から成る,都市問題の学際的研究集団であった。その後,『不動産賃貸借研究会』は『都市的土地利用研究会』に合流した。そして今日に至るまで,稲本先生のリーダーシップの下で,借地借家法改正,土地基本法,土地利用規制の緩和,都市計画制度,土地税制,不動産の証券化等の都市における土地利用問題について研究に励んできた。」
都市的土地利用研究会は,学術的集団です。その研究会による成果としては,『都市と土地利用』があり,『コンメンタール借地借家法』は第3版(2010年)が出版されています。
また,会員による個人的あるいは有志による学術出版物も多数あります。
都市的土地利用研究会の現在の会員は,約80名です。研究者(大学,シンクタンク等),実務家(不動産会社,不動産業界団体等),資格者(弁護士,司法書士,土地家屋調査士,不動産鑑定士などの資格者),官公庁勤務などから。不動産についての産・官・学の交流の場となっています。現在は,会長藤井俊二創価大学法科大学院教授,事務局長小柳春一郎獨協大学法学部教授,学術委員長周藤利一元国土交通政策研究所所長,稲本洋之助東京大学名誉教授(名誉会長)などを中心に運営しています。現在は,年5回から6回程度研究会を開催し,自由で多角的な議論を展開しています。研究会では,会員以外の方からの報告を受けることもあります。
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