次回9月26日都市的土地利用研究会は,エリアマネジメントを中心にしています。ここでは,その報告者である小林重敬先生のお話を紹介します。
日本の顔、東京の顔
「丸の内」の「まち育て」をしています
大丸有エリアマネジメント協会 理事長
小林重敬
約20年前の「丸の内」は「たそがれ丸の内」とも言われ、活気の乏しい古いタイプの企業や銀行の本店が中心のオフィス街でした。夜になると人通りが なくなり、土日は閑散としたまちでした。その時期に大手町・丸の内・有楽町地区(大丸有地区)に所在する大部分の企業が集まって、「大丸有地区再開発計画 推進協議会」(協議会)を結成し、専門家5人に「大丸有地区」の新たな長期的なまちづくりの方針を立てることが依頼されました。その専門家の一人が私で す。その会議の中で、私が主張した点は2点あります。ひとつはまちづくりのインクレメンタリズムという考え方です。
当時、時代が大きな変換点にきていると考えられたので、大きな枠組みとしてのまちづくりの方向性を明確に示し、時代の変化に合わせて枠組みの中でま ちづくりを変更してゆくという考え方です。もうひとつはまちづくりが、これまで「ハードなまちづくり」(「つくること」)に終始し、「ソフトなまちづく り」(「育てること」)がないがしろにされてきたので、まちを「育てること」を「つくる」段階から考えることです。
これまでのわが国のまちづくりを振り返ってみると、開発・デベロップメントに重きがおかれ、開発された後、その地域が継続的に人々に興味を持たれて、注目 され続けるためには、どうすればよいのかという「育てる」視点を欠いていたように思われたからです。 これらの考え方は「丸の内」のまちづくり構想である「丸の内の新生」というレポートにまとまられ、その後の大手町・丸の内・有楽町地区のまちづくりのバイ ブルとして今日まで生かされています。」
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